新型コロナの影響で多くの中小企業が苦しんでいます。 特に、観光、飲食、イベント系等の会社さんは本当に大変だと思います。 このような非常時の会社経営をどうするか? コロナに関しては、震災と違い、町や建物が壊れているわけでもなく、 目に見えないので、どのように対処してよいか分からず、大変悩ましいい問題です。 震災の時に、弊社が会社を延命するためどうしたか、をお伝えします。 おこがましいのは、重々承知の上ですが 、 お困りの会社さんの参考になればと思います。 状況は違えど、急に大きく売上が入らない時の状況は似ています。 会社を延命するため行うことは、2つ。
です。「そんなのわかってるよ!」と思われるかもしれませんが、 なかなか実行に移すのは難しいものです。 はじめに固定費ついてお話します。 私は、2011年3月震災時に資金繰りを試算しました。 すると、2011年8月に会社が倒産する結果が出ました。 復旧・復興するための時間の確保が必要でした。 8月では短すぎるので、何とか12月の年末まで会社を 延命できないか考えました。初めに延命期間を9か月とし 時間軸を決めました。 固定費の削減といっても、会社ごとで何を固定費とするかは様々だと思うのですが、弊社で行った対策をまとめました。 ①電気代の削減 ②借入金の削減 ③今の状況を鑑みて、削減できる経費の削減 ④人件費の削減 以上の4点を大きく抑えました。 売上が入ってこないのに、固定費だけは毎月しっかり出ていく状況。しかも、大きな金額が毎月・・。まずは、止血です。 ①弊社は、大きな冷凍・冷蔵室が数室あります。売上もままならないので、 商品在庫も少ない状況でした。そのため、比較的大きめの冷蔵・冷凍室の スイッチを切り、他の部屋へ商品を移動しました。 これにより、大きく電気代は抑えることができました。 ②借入金に関しては、各社状況が様々だと思いますが、金融機関に相談した ほうが良いです。きっと月々の返済の条件を変えてくれると思います。 金融機関にとっては、取引先がつぶれてしまうのが一番のリスクですので 対応してくれるはずです。 ③これまで当たり前だと思っていた経費を見直しました。 弊社は、当時、自社WEBサイトとヤフーショッピングでネット販売を 行っていましたが、売上が少なかったヤフーショッピング店を閉店しました。 ④苦渋の決断でしたが、従業員を数か月間一時解雇しました。 その際、お店の修繕が終わったら必ず再雇用する約束をしました。 その間の1,2か月は失業保険でなんとかしのいでもらいました。 本当に苦しい判断でしたが、2011年7月には、全員再雇用し、 スタッフの生活を守ることができました。
政府は様々な施策を出していますが、影響を受けている企業の固定費に 特化した対策を打ち出してほしいと思います。まずは止血です。 例えば、影響受ける中小企業に対して、光熱費や家賃補助、賃金補償など、 これだけでも、企業の延命は大きく違ってくると思います。
次に、「小さく営業を続ける」」ですが、こういったときは、無理に会社の業績を 上げるのではなく、できる事だけに集中して会社運営を止めないことです。 立てることが出来る売上から逆算して、小さく会社を運営してください。
普通に営業ができない弊社が行った取り組みは、
①乾物、缶詰、お惣菜の3点だけを細々と販売 ②原発関連の作業員さんへのお弁当提供 この2つだけに集中し、小さく会社をまわしていました。 ①水がなく、冷蔵・冷凍設備も浸水した状況のなかで、販売できるものは、 この3つぐらいでした。水に関しては、知り合いから井戸水をいただき、 洗い物用として使用していました。 震災で食べ物に困っているお客様が大勢いたので、これは喜ばれました。 ②普段はやらないのですが、当時の原発作業員の方向けにお弁当を 配達していました。これも知り合いの旅館さんなどに声をかけ、営業をして、 なんとか、2社ぐらいからお弁当の注文を毎日いただけました。 はじめは、あまり気が乗らない仕事だと思っていましたが、新商品試してみたり、 新しい発見があったりと、これはこれでよい経験でした。 口コミで取引先も増え、最後のほうは、結構大量のお弁当の注文を 受けていました。本当に当時は大きな収入源でした。 以上の2つを行うことで、復旧への時間が稼げて、会社はなんとか生き残ることが できました。政府の様々支援が出てきたのはこの後です。 とにかく、こういった場合は、情報収集です。行政のHPや、商工会、同業者、 知人などから情報を収集してください。ただ情報の精査は自分で行ってくださいね。 私も、同業者、商工会からの情報でどれだけ救われたことか。 当時と違い、この新型コロナに関しては、様々な施策がすでに数多く出ています。 融資や、従業員助成金などなど震災の時よりも良いものが出される予定です。https://www.mhlw.go.jp/content/000615395.pdf 条件の良い融資に関しても、受け入れられるのであれば受けたほうが良いと 思います。これは大災害です。コロナ終息後、コロナ前の運営が普通にできる とは思えません。皆さん、それなりに傷を負うと思います。まずは延命です。 コロナ後の多少の借金は致し方ないと思います。 弊社も、震災時に設備+運転資金の融資を受けましたが、いまだに返済しています。 弊社も、いつ新型コロナの影響を受けて大ダメージを食らうかもわかりません。 この文章は、困っている会社さん向けと、自分への戒めとして書きました。 みなさんで、この難局を乗り越えましょう。 長々失礼しました。